あなたは先生。あたしは生徒。
【花】



「あのっ!!コレ、つまらない物ですけど!!」



あたしは大和のお母さんに手土産を渡す。



「あら、気使わなくてよかったのに。って花ちゃん手震えてるケド?」

「あ、はい、緊張して…」

「あははははは!!そんなにカタくなんなくても、とって食ったりしないわよ。ありがと~。」



だって…。



あんなの見ちゃったら大和ママ怖い…。



キレイだけど。



楓さんに似てるし。


「はい、お茶!!」

「親父と楓姉と桜姉は?」

「直人は今日まで仕事。桜は夜来るけど、楓は今、敦君と向かってるみたいよ。」

「そう。」

「大和、花ちゃんのご両親は何て?」

「花の親御さんも教師と生徒だったみたいで、快く認めてくれた。」

「そう。花ちゃん、ごめんね。いろいろ大変でしょ?このバカ大和が。」



大和ママはそう言って大和の頭を叩いた。



「あ、いえ。大和さんだけが悪いんじゃないですから、あたしも同罪です。」

「でも…。本当に申し訳ないわね…。」

「我慢できなくて、気持ちをぶつけてしまったのはあたしの方なんです…。だからそんなに大和さんばかり怒らないでください…。」



怖いよ…。



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