あなたは先生。あたしは生徒。
「だめ…」



今、ダメって言ったのか?



花はもう…



「朝陽とは別れた…。でも、戻れないよ…。あたし、大和の気持ちも知らないで、朝陽と…。」

「それ以上言うな!わかってる。俺だってアイツと…。花を裏切った…。」

「大和…。ごめんなさい…。」

「悪いのは全部俺だ。花は何も悪くねぇ…。ごめんな…。」



花は俺の胸の中でただ泣いていた。



「なぁ、もし、俺の事許せるなら、もう1回だけ、俺の花になんない?」



花は俺の胸に顔を埋めたまま静かに頷いた。



「もう離さねぇから。何があっても離さねぇ…」

「うん…。もう離れない。大和が別れるって言っても…。離れないからね…」



それから俺たちはキスをした。



今までの溝を埋めるかのように。



長くて甘いキス。



花、ごめんな…。



もう絶対離さねぇからな…。


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