あなたは先生。あたしは生徒。
花が俺の名前を呼んだ瞬間、俺は花を抱きしめてしまった。



もう後には引けない。



「初めて会った時はお前が生徒だって知らなくて…。」

「大和ぉ…。会いたかった…。ズット大和の事考えてたんだよ…。」



花も同じ気持ちでいてくれている事を聞き俺の心臓は跳ねる。



でも俺は教師だ…。



「花。今日仕事終わったらお前んち行くから。」

「うん。わかった。」



俺は花にそう告げると、先にトイレを出た。



そして近くに誰もいない事を確認してから花をトイレから出した。



「じゃぁ、後で呼んだら入って来いよ。大丈夫か?」

「うん、大丈夫…。あの、大和…」

「中村先生。学校では中村先生だ!!」

「わかった、中村先生!!」



俺は先に自分の教室に入って花の事を説明した。



「じゃぁ柏木入ってきて。」



俺は花を呼んだ。



クラスの男共が歓声をあげている。



そう、花はカワイイ。



痩せているのに背が高くて目がデカい。



綺麗に染められたブラウンの髪は緩めに巻かれてて、大人っぽい印象を与える。



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