あなたは先生。あたしは生徒。
大和が部屋にいる…。



「お前こんなに広くて綺麗な家に一人なのか?」

「うん。正確にはばぁちゃんと二人暮らし。だけどばぁちゃんは彼氏の家に入り浸って帰ってこないの。」

「ばぁちゃん、なかなかやるな…」

「じぃちゃんが浮気して駆け落ちしちゃったからね。この家もその腹いせにじいちゃんの貯金で建てたみたいだよ。」

「だからこんなに新しいのか…。」



そんな会話をしながら大和とカレーを食べた。



イヤな話しなら聞きたくない…。



「あ、あたし洗っちゃうね!!」

「ごちそうさま。うまかったよ。」



その言葉に少し照れながらお皿を洗う。



大和が全部食べた…。



二人分のお皿はすぐに洗い終わりあたしは大和の元へ行くしかなくて…。



当の本人はリビングのソファでタバコを吸っていた。



大和のタバコを持つ手が女の人みたいに綺麗で、あの夜の事を思い出し恥ずかしくなる。



「こっちおいで。」

「う、うん…。」



大和はタバコを灰皿にもみ消すとあたしを呼んだ。



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