あなたは先生。あたしは生徒。
しばらくしてばあちゃんがタクシーで迎えに来てくれた。



最初からそうしとけばよかった…。



ばぁちゃんは一人暮らし。



長年連れ添ったじぃちゃんは3年前、近所のタマヨさんと駆け落ちした。



「それにしても大きくなったねぇ!!ばぁちゃんは、花ちゃんが来てくれて嬉しいよ。」

「そうだね、5年振りくらいかな?これからよろしくね!!」

「花ちゃん、先に言っとくけど、ばぁちゃん、彼氏ができてね、田崎さんって言うんだけど、今その人の家に半同棲してるのよ。」

「へ、へぇ?」

「何だか頼りない人でね?私が面倒見てやらなきゃ可哀想で。だからばぁちゃん殆どこの家にいないからね?」

「えっ?えぇぇぇ?あた、あたしのご飯は?」

「花ちゃんはもう何でも自分でするんだよ?そのかわり夜遊びしても何しても、ばぁちゃんは干渉しないからね?」



それからばぁちゃんは…。



「たまに帰ってくるけど、分からない事があったら電話するのよ~!!」



と、あたしに田崎さんちの電話番号のメモを渡して去って行った。



< 4 / 344 >

この作品をシェア

pagetop