あなたは先生。あたしは生徒。
もうヤダ…。



「あの女が橘先輩の!?」

「付き合ってんでしょ?」



学校の中を歩く度に聞こえてくるこの声。



付き合ってねーよ!!



橘のバカヤロー!!!!!



橘はかなり人気があるらしく噂はあっと言う間に学校中に広まった。



「ねぇ、あんた柏木花?ちょっと来て。」

「は?」

「話あるから来てよ。」



あたしは見知らぬ女に声をかけられ人通りの少ない体育館裏に連れて行かれた。



ベタな…。



「何?」



そこには5人のギャルっぽい女達。



靴を見るかぎり3年生みたいだ。



「あんた准弥とどういう関係?」

「准弥?誰それ。」

「とぼけんなよ!!橘准弥だよ!!」



橘って准弥って名前だったっけ…。



その瞬間あたしがここにいる理由がわかった。



「なんでもないし。用はそれだけ?」

「あんた先輩に向かってそんな口聞いていいと思ってんの?」

「先輩だか何だかしらないけどあたしが呼び出される意味がわかんなっ…。」

「ムカつく。」



は?



何であたしが殴られんの?



< 53 / 344 >

この作品をシェア

pagetop