泣き顔にサヨナラのキス
 

 
断るわけがないと、わかっているくせに。


色っぽく影を作る長い睫毛。形の良いその唇で、あたしの名前を何度も呼んで欲しい。


あたしはリモコンに手を伸ばして、照明の電源をオフにした。


孝太は慣れた手つきで、あたしの服を脱がしていく。


その指が素肌に触れる度、あたしの身体は熱を帯びる。


そして……



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