泣き顔にサヨナラのキス
ただね、孝太は山本さんの気持ちをわかっているのかなって思う。
孝太からすれば、山本さんは同僚の1人なのかもしれないけど。
山本さんの気持ちは、孝太のそれとは明らかに違う。
「孝太、あのね」
「まだ、何かある?」
「んっ?」
口を開きかけた瞬間に、孝太に唇を塞がれて、何も言えなくなってしまった。
次第に激しくなっていくキスと重なる熱い素肌に、あたしの意識は曖昧になって。
ただ、孝太を感じていた。