泣き顔にサヨナラのキス
   

「帰るの?」


「明日、朝一でクレーム処理で現場直行なんだ」


孝太は立ち上がって、ジャケットを手に取った。


「……きは?」


「なに?」


「お、お仕置きは?」


あたし、何言ってるの? 顔が赤くなっていくのが、自分でもわかる。


恥ずかしくて目を合わせられないあたしに、孝太は「お仕置き、して欲しいんだ?」とニヤリと笑った。


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