泣き顔にサヨナラのキス
 

 
コクッと小さく頷くと、孝太はやっと手を離した。


「もう!痛いじゃない。引っ張るなんて、ヒドイよ」


「分かってないからだよ。俺がどんだけカナを好きかってこと」


「え……」


不意に落とされた甘い言葉に、身体から力が抜けていく。


その背中を孝太の腕に抱き留められて。


「カナ、もっと一緒に居たいけど」


「わかってる」


わかってるよ。


グズグズしてると帰れなくなるからでしょ?


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