泣き顔にサヨナラのキス

 
もしかすると、あたしと一緒に行くことを忘れていたのかもしれない。


きっと、それだけ……


お店に着くと、既に歓迎会は始まっていて、皆ワイワイ楽しそうだった。


お座敷に二列に並んだテーブルは総勢二十人弱。


いつの間にか、また人数が増えていた。


あたしの席は出入り口近くの幹事、原口係長の隣しか空いていなかった。



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