泣き顔にサヨナラのキス
 

「あー野上、伊藤課長と飲み直すけど、お前も来るか?」


「い、行きます!」


嬉しかった。

一人で部屋に戻れば、いつあるかも分からない、孝太からの連絡を待ち続けてしまう。


それだけは、どうしても避けたかったから。


即答だったあたしに、原口係長は「お前なー、たまには断れよ」と笑った。


< 183 / 614 >

この作品をシェア

pagetop