泣き顔にサヨナラのキス
原口係長は眉を吊り上げてニヤリと笑った。
「へぇ、お前、俺の事心配してくれんの?」
「いや、えっと、はい。
心配ですよ、尊敬する先輩ですから。ははは」
うん。それは本当。最初は苦手だったけど、今は凄く頼りになる先輩だと思っている。
「……まぁ、人に心配してもらえるのは、有り難いことだな。今になって思えばだけど」
灰皿にギュッと押し付けてタバコを消すと、原口係長は日本酒に口をつけた。