泣き顔にサヨナラのキス
「いや、そんな」
「横でため息ばかり吐かれると、あたしまで運気が落ちていきそうでイヤなんですよ」
……そうですか。
「で、何をしましょうか?」
山本さんの有無を言わせない雰囲気に、あたしは手元の資料を渡した。
「この数字、入力してデータの更新お願い」
「他には無いですか?」
「じゃ、サンブルの送付を……」
「集荷の時間まで、あと少しじゃないですか」
早く言って下さいと何故か怒られた。