泣き顔にサヨナラのキス


山本さんのお陰で、集荷も無事間に合った。


よく考えれば、今日じゃなくても良かったけど。


テキパキ作業していく山本さんには言えなかった。


でも、どうしたんだろう?


あたしに対する態度が少し柔らかくなったような。


思いの丈を吐き出して、すっきりしたのだろうか。


そんなことを考えていると、山本さんが大きく伸びをした。


「じゃ、お疲れさまでした」

「お疲れさま、ありがとう」


「高いですよ」


……やっぱりか。


「梶間食堂でいいです」



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