泣き顔にサヨナラのキス

メールの返事が返ってきたのは一時間後。


小さく息を吐いて、受信ボックスを開いた。


『服は返さなくていい。食事は適当に済ますから、気にするな』


……そう、ですよね。


あたし、何をしてるんだろう。自分がとった浅はかな行動が恥ずかしくなった。


バカみたい。服なら会社で返せばいいし。


食事ならスーパーやコンビニでレトルトのお粥でも買えばいい。


あたしが原口係長の部屋に行く理由は、何一つないのに。





< 384 / 614 >

この作品をシェア

pagetop