泣き顔にサヨナラのキス
メールの返事が返ってきたのは一時間後。
小さく息を吐いて、受信ボックスを開いた。
『服は返さなくていい。食事は適当に済ますから、気にするな』
……そう、ですよね。
あたし、何をしてるんだろう。自分がとった浅はかな行動が恥ずかしくなった。
バカみたい。服なら会社で返せばいいし。
食事ならスーパーやコンビニでレトルトのお粥でも買えばいい。
あたしが原口係長の部屋に行く理由は、何一つないのに。