泣き顔にサヨナラのキス
向かった先は、やっぱり梶間食堂。 三人でテーブル席に着いた。
ズズッとお茶を啜って、ボンヤリしていた。良かった、山本さんが来てくれて。
無理に会話をしなくて済むし。そんなことを考えていたら……
「週末は何してたんですか?天気良かったから、何処かに出掛けました?」
明るく興味津々といった感じで訊ねてくる山本さん。
その言葉の後、孝太と目があった。
「俺に用事があったから、デートはしてないんだ」
「そうなの?毎週末一緒にいるのかと想ってた」
孝太は「まさか」と笑う。
だから、あたしも笑った。