泣き顔にサヨナラのキス
午後から担当している代理店に営業に向かった。
予定よりも早く終わり、あとは事務所に戻るだけ。
明日のミーティングに使う資料と週報の作成が待っている。
はぁとため息。事務所に戻りたくないな。
なんだか、孝太と顔を合わせたくない。 そして、原口係長にも。
『今日の夜、カナの部屋に行ってもいい?』
ランチの後、孝太から届いたメールに返事が出来ずにいた。
だって、きっと。 孝太はあたしを抱くつもりだから。