泣き顔にサヨナラのキス


少し、ホッとした。あたしは、何も出来ないから。


もう、あの部屋に行くこともない。


そう想っていたのに……



その日、原口係長は会社に戻らなかった。


そして、あたしの携帯に届いた原口係長のメール。


『水とプリン買ってこい』


……パシリですか。


でも、嬉しかった。頼ってくれたことが。

そして、二人で会えることが。


定時少し過ぎた頃、用事があると退社した。


向かうのは原口係長のマンション。





< 395 / 614 >

この作品をシェア

pagetop