泣き顔にサヨナラのキス
少し、ホッとした。あたしは、何も出来ないから。
もう、あの部屋に行くこともない。
そう想っていたのに……
その日、原口係長は会社に戻らなかった。
そして、あたしの携帯に届いた原口係長のメール。
『水とプリン買ってこい』
……パシリですか。
でも、嬉しかった。頼ってくれたことが。
そして、二人で会えることが。
定時少し過ぎた頃、用事があると退社した。
向かうのは原口係長のマンション。