泣き顔にサヨナラのキス
あたしは、多分。原口係長に惹かれてる。
こうやって、腕の中に居ることもイヤじゃない。
でも、あたしには孝太が。そう想うと、途端に罪悪感で押し潰されそうになる。
「か、帰ります」
原口係長の胸を押し戻そうとしたけど。
「もう少しだけ」と腕に力を込められてしまった。
これ以上抱き締められていたら、雰囲気に流されてしまいそうで怖い。
「顔を上げろよ」
「イヤです」そう言って、顔を背けたのに、無理矢理唇を奪われて。
そして、あたしは……