泣き顔にサヨナラのキス


こうなる事を心の何処かで、期待していたのかもしれない。


だから、言葉ではイヤだと言ってみても、原口係長の熱い唇に触れられると、拒むことなんて出来なかった。


少しずつ深くなるキスに、無意識に身体が反応する。


原口係長の身体が熱くて。


あたしまで、汗ばんでいくみたい。


不意に唇が離れると、途端に寂しくなる。


「そんな顔、見せるなよ。勘違いするだろ……」


何も言えなかった。


だって、あたし。


キスを止めて欲しくなかったから。






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