泣き顔にサヨナラのキス


何もかもが熱い……


あたし、原口係長のお見舞いに来てるのに。


「あっ、あの」

「ん?」


ダメだ、原口係長を直視出来ない。


「こんな、あの。
……風邪が酷くなったら、困ります」


「もう、遅い」


「えっ」


顔色が悪いのに、それが色っぽく見えるなんて。


当たり前のように、あたしのブラウスのボタンを外していく長い指に翻弄されて。


あたしの肩が、むき出しになった。



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