泣き顔にサヨナラのキス


山本さんと目があった。


「同情とか止めてくださいね。あたしは自分の為に言ってるだけですから」

「そうなの?」

「当たり前じゃないですか。そんなお人好しじゃないです、わたし」


そして、グイッとワインを飲み干して……


って、さっきからワイン飲んでるけど、いつの間に頼んだの?


いや、それよりも。梶間食堂にワインがあることに驚いた。


「あぁ、つまんない」

ふぅと、山本さんがため息を吐いた。





< 422 / 614 >

この作品をシェア

pagetop