泣き顔にサヨナラのキス
訊くのは怖いけど、黙っていたんじゃ前に進めない。
「何?」
「だから、声を聞くとさ、逢いたくなるんだよ」
「うん、だから?」それはね、スゴく嬉しい。
「そして逢うとさ、カナに触れたくなる。キスとか、それ以上も……」
恥ずかしそうに、頭をガシガシ掻く孝太。
「あー、俺何言ってんだ」顔を赤くしながら、あたしをチラリと見て。
「カナに嫌われたくなかったから。
これでも頑張って、自分を押さえていたつもり」
言い終わると、孝太はそっぽを向いた。