泣き顔にサヨナラのキス
目を細めて「相変わらずの丸顔だな」と笑う。
「失礼な」
そっぽを向いて、目を逸らしたけど。
何故だろう。変に意識してしまうのは。
ああ、そうか。原口係長の眼差しが優しいから。
「お前、随分頑張ってるみたいだな」
「あ、はい。原口係長に推して頂いたので」
ふっと小さく笑って「まあ、呑め」と原口係長。
「じゃ、遠慮なく」
「いや、遠慮はしてくれ」
お互い吹き出して笑った。
いつかと同じ会話だなと、酷く懐かしく感じて。