泣き顔にサヨナラのキス
どうして、いつもあたしの気持ちを考えてくれないの?
キスをする気分じゃないのに。
孝太の胸を押すと、意外にもスッとあたしから離れていった。
「カナ?」孝太は不思議そうにあたしを見詰める。
信じてる。信じてるけど、見たくは無かった。
こんなこと、お願いだから言わせないで。
「こ、れって、何?」
震えながら、クシャクシャのメモを渡すと、暫くそれを見ていた孝太は声を上げて笑い出した。