泣き顔にサヨナラのキス
「もしかして、これを見て不機嫌になったとか?
カナって、相変わらず可愛いね」
孝太の軽い言い方に、不快度数がジワジワと上昇していく。
「あ、当たり前じゃない。これってどう見ても女性の電話番号でしょ」
「そうだよ」
孝太は悪びれもせず、あっさりと言い放った。
まさかの開き直り?
言い訳ぐらいしたらどうなの?
「いいよ、別に。孝太が女性から電話番号もらっても。電話してもメル友になっても構わない。
だけど、あたしの目に付くところに、こんなものを置いておかないで」
「何でそんなに怒るんだよ?それって、俺のこと信用してないとか、そういうこと?」
今度はあたしの方が、ムッとした孝太に責め立てられる。