泣き顔にサヨナラのキス
    

「そ、そうじゃないけど」

「そうじゃないなら、何?」

「……もういい」

そう言って、メモを孝太に返した。


そのメモは孝太の手によって、ゴミ箱行きになると想っていたのに。


孝太はそれをポケットに戻してしまった。


そして、そのまま上着を羽織って、カバンを手に取る。


「明日早いから帰るよ。ご馳走様」


えっ、帰るの?



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