泣き顔にサヨナラのキス
なんでもない歩道だった。
直ぐ先には、コンビニとその前にバス停が。人通りだってそれなりにある。
不安になって、何も言わない孝太の横顔を見上げた。
どうしたの?と言い掛けて口を噤む。何故だか、言葉に出来なかった。
ただ、真っ直ぐに前だけを見ている孝太から緊張が伝わって。
もしかして、あたしは……
『やっぱり、ごめん』とか、『もう無理』なんて言われちゃうのかな。
「あのさ、」
そう言った孝太の声は震えていて、すごく切なくなった。