泣き顔にサヨナラのキス
「受かったらさ、転勤があるかもしれない。気が早いけど、その時は着いてきて欲しいなと想って」
うん。……って、ええっ?
孝太の顔をじっと見詰める。とても、冗談を言っているとは想えない真剣な表情だった。
ちょっと待って。えっと、これってプロポーズ??
いや、結婚なんていわれていないし。でも、着いてきてって、そういうことよね??
はっきりしてよ。これって、どうなの?
「でも、これはプロポーズじゃないから」
涼しい顔でそう言った孝太に、あたしの頭は真っ白になった。