泣き顔にサヨナラのキス
   

「亜美、今夜泊まっていけよ」


「……帰るわ」

まだ拗ねているのか、俺と目を合わせようともしない。

亜美にこんな子供っぽいところがあるなんて知らなかった。


「あの部屋、一人じゃ無駄に広くて寂しいんだよ」

それでも、まだ亜美の機嫌は直らない。


そっと亜美の右手を握って、「抱きたいんだ」と囁いた。


すると、亜美の肩が驚いたように上がって、白い肌がうっすらと色づいていった。



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