泣き顔にサヨナラのキス

     

「何だよ?
もしかして、昨夜小林と喧嘩でもしたのか?」


「わかりません」


「は?」


「孝太が迎えに来てくれたこと、覚えてなかったんです。あたし……」


「そっか……」



それきり、会社に戻るまで二人とも無言だった。



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