向日葵の逝く先
「アイス食べる? バニラ味」
わたしは返事も聞かないままアイスを手渡した。
だって素直に受け取らない気がしたんだもん。
なんとなく。
陸くんは目をぱちくりさせる。
「え、いいの? …ありがとう」
「うん、どういたしまして。やっぱ夏はアイスだよねえ」
「そうだね。かき氷とかも」
「かき氷はメロン味がいいなあ。メロンジュースとか大好きだし!」
「僕はいちご味」
いちご味のかき氷を食べる陸くん…。
想像して、思わず吹き出してしまった。