向日葵の逝く先
 


「アイス食べる? バニラ味」

わたしは返事も聞かないままアイスを手渡した。


だって素直に受け取らない気がしたんだもん。

なんとなく。


陸くんは目をぱちくりさせる。

「え、いいの? …ありがとう」

「うん、どういたしまして。やっぱ夏はアイスだよねえ」

「そうだね。かき氷とかも」

「かき氷はメロン味がいいなあ。メロンジュースとか大好きだし!」

「僕はいちご味」


いちご味のかき氷を食べる陸くん…。

想像して、思わず吹き出してしまった。


 
< 46 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop