ウサギとオオカミ~他校のアナタ~
「や、でも…」
ガチャ
先輩が言おうとした言葉は、ドアを開ける音によって遮られた。
「天狼くん?そろそろ帰ろうか?ね?ねえ?」
お兄ちゃんがイライラしながら、でも笑顔でそう言った。
「………何でですか」
「もう6時なんだよ!帰れ天狼!」
“まだ”6時でしょ…。
「ごめん。これ以上一緒にいると殺されそうだから、帰る。」
天狼先輩は小声で言った。
「じゃあね、癒兎。」
「う、うん。」