私たち双子でした
「い、いません‥」
「嘘〜?じゃあ、俺彼氏になっちゃおうかな!」
先輩はそう言って変な笑い声をあげた。
「あ、梨桜時間やばいよ!電車間に合わない!」
沙織は携帯をパカッと開き時間を確認してそう言った。
ん?電車?
「行くよ!」
腕を引っ張られ下駄箱まで走った。
「沙織、電車なんて‥」
「もう!あーいう先輩は苦手でしょ?嘘でも彼氏いるって言わなきゃ!また狙われるよ?」
下駄箱に着いて、私は沙織にさっきの疑問を問いかけたが、遮られてそう言われた。
気づいてくれてたんだ
だから、嘘の理由つけて走って逃げたのか
「そっか!あたし、本当に苦手!」
中学のときからチャラチャラした男の人は怖かった。
それを知っている沙織は気づいてくれていたみたい。