私たち双子でした
バスを2人でベンチに座って待っていた。
だんだん校舎から生徒が出てきて、ある人に私は目を止めた。
変な着崩しもせず、無造作な髪型毛穴なんてないほど綺麗な肌
細身の長身鼻筋も綺麗に通っていて柔らかい笑顔
入学式の人だ―‥
「‥‥梨桜?‥梨桜!」
「‥‥ん?何?」
また見とれてた‥
沙織の声も上手く聞き取れないくらい。
「何じゃないよ!あ、あの人だね!」
ニヤニヤしながら私にそう言う沙織
「うん‥」
「久しぶりの恋が始まるといいね!」
沙織は私の肩を肘でツンツンしてそう言った。
恋なんて始まるわけない。
そう心の中で思った。