群青の月
冬夜は、タバコと一緒に取り上げたジッポで蝋燭に火を点け、あたしに笑顔を向けた。


「二十歳になった柚葉への、誕生日プレゼントだよ。せっかくの誕生日なんだから、俺が盛大に祝ってやる」


「はぁ?そんなのいらないから」


「まぁそう言うなって。何なら、大サービスでバースデーソングも歌うけど?」


「やめてよ……」


「じゃあ、火消せよ」


何を言っても笑顔を崩さない冬夜は、目の前のケーキに視線を落とした後、あたしを促した。


二人きりの部屋に、もう何度目かわからないあたしのため息が響いた。


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