群青の月
何年振りだったっけ……
こんな風にバースデーケーキを目の前にして、誰かに誕生日を祝って貰ったのは……
あぁ、そっか……
これが初めてじゃん……
「柚葉?」
感傷に浸(ヒタ)るようにケーキを見つめていたあたしは、冬夜の声でハッとした。
「どうした?」
「別に……」
「願い事、唱えたか?」
「そんな訳ないじゃん」
平静を装って答えてみたけど、何とも言えない感情が心をざわつかせる。
そんなあたしを余所に、冬夜がケーキにナイフを入れた。
こんな風にバースデーケーキを目の前にして、誰かに誕生日を祝って貰ったのは……
あぁ、そっか……
これが初めてじゃん……
「柚葉?」
感傷に浸(ヒタ)るようにケーキを見つめていたあたしは、冬夜の声でハッとした。
「どうした?」
「別に……」
「願い事、唱えたか?」
「そんな訳ないじゃん」
平静を装って答えてみたけど、何とも言えない感情が心をざわつかせる。
そんなあたしを余所に、冬夜がケーキにナイフを入れた。