群青の月
切り分けられたバースデーケーキは、何だかほんの少しだけみすぼらしい感じがして…
ホールのままの綺麗な形をずっと見ていたかった、なんて思ってしまった。
「ほら、食えよ」
冬夜は満面の笑みを浮かべて、お皿に乗せたケーキとフォークを差し出した。
無言のまま受け取ったあたしは、それをじっと見つめてみる。
その後すぐに小さなため息を一つ零して、ケーキの先端にフォークを突き刺した。
柔らかさを主張するように歪んだ、黄色いスポンジ。
久しぶりに味わったそれは、妙に甘ったるかった――…。
ホールのままの綺麗な形をずっと見ていたかった、なんて思ってしまった。
「ほら、食えよ」
冬夜は満面の笑みを浮かべて、お皿に乗せたケーキとフォークを差し出した。
無言のまま受け取ったあたしは、それをじっと見つめてみる。
その後すぐに小さなため息を一つ零して、ケーキの先端にフォークを突き刺した。
柔らかさを主張するように歪んだ、黄色いスポンジ。
久しぶりに味わったそれは、妙に甘ったるかった――…。