群青の月
「……人生で一番最悪な誕生日なんだけど」


皮肉が込められた言葉に、眉を寄せながらフッと笑う。


「悪いな……」


「本当に悪いと思ってるなら、謝罪なんかいらないから離して」


「後でな」


柚葉は本当に面倒臭くなってしまったのか、抵抗を見せなくなった。


「……ありがとう」


俺が小さく零した言葉が、彼女に聞こえていたのかどうかはわからない。


だけど、そのうち静かになってしまった柚葉から、小さな寝息が聞こえて来て…


それに安堵した俺は、泥のように眠った――…。


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