群青の月
「どこ行くんだよ?」


「帰るに決まってるじゃん」


「ちょっと待てよ。せっかくだから飯でも……」


「バカな事言わないでよ。夜中からずっと付き合ってあげたんだから、もういいでしょ?それに……あたし、これから仕事だから」


あたしを引き止める冬夜の言葉を遮って、呆れながらも淡々と話した。


“いつもの仕事”は、たまたま休みだったお陰で遅刻をしなくて済んだ。


だけど…


あたしには、“もう一つの仕事”がある。


今日もあの場所に行くつもりだから、とにかく一刻も早く帰りたかった。


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