群青の月
「三万払った奴とは……一晩中、一緒に過ごすのか?」


「いつもはヤったらすぐに帰るよ。てか、あたしを買う奴なんてヤるだけが目的なんだから、それが当たり前じゃん。むしろ、アンタみたいな奴が珍しいんだけど」


柚葉は淡々とした口調で話しながら、ソファーに身を沈めた。


「……で、アンタは何の為にあたしを買った訳?」


怪しげな表情で俺を見る彼女に、苦笑を返す。


「さぁな。俺だってどうしてこんな事したのか、自分でもよくわからないんだ……」


肩を竦めて笑うと、柚葉は呆れたように大きなため息を零した。


< 143 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop