群青の月
結局、手に入る物だけを調達して、コンビニを後にした。


会計をする時、カゴに入れた物を自分で買おうとしていたあたしを、冬夜が制して…


下着だけじゃなく、スキンケア用品まで買ってくれた。


「他に必要な物は?」


「……だから、ブラ」


「それは無理だって」


「じゃあ、何もない」


他愛のない話をしながら並んで歩くあたし達は、周りからは普通のカップルにしか見えないのかもしれない。


頭の片隅でそんなつまらない事をぼんやりと考えながら、あの高級そうなマンションに戻った。


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