群青の月
あたしがさも興味が無いと言う視線を向けると、冬夜はどこかホッとしたようにフッと笑った。


「お前のそういう所、いいと思うよ」


馴れ馴れしくあたしの頭を撫でた彼の手を、強引に払い退ける。


だけど…


冬夜は目を細めて楽しそうな笑みを浮かべただけで、ここに来た時みたいにからかうような事を言ったりはしなかった。


「あっ、風呂から上がって来るの早かったけど、ちゃんと浸かったか?」


「別に」


「いや、答えになってないんだけど」


冬夜は眉を寄せ、また楽しげにクッと笑った。


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