群青の月
夕方まで眠っていたせいで眠気はちっとも無い上に、コーヒーまで飲んだから益々眠れなくなってしまった。


だから…


少し前に冬夜に促されてベッドルームに移動したけど、あたしは枕元の壁を背もたれにしてベッドに座っていた。


「眠れない?」


「……別に」


「じゃあ、横になれば?」


そう言って掛け布団を捲(メク)った冬夜に、眉を寄せる。


「アンタ、本当は何の目的であたしを買った訳?」


猜疑心を剥き出しにして睨むように冬夜を見ると、彼は困ったように眉を寄せて微笑んだ。


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