群青の月
冬夜は起き上がって、あたしと同じ体勢で座った。


「本当に深い意味はないんだよ」


ポツリと落とされた彼の声が、静かな部屋に消えていく。


「俺はただ、あの時にお前の時間を買いたいと思ったから、こうする事を選んだだけ」


「ヤりもしないのに三万も出して、何の意味があるのよ?」


「でも、そうしないとお前は帰っただろ?」


「当たり前でしょ。金にならない奴といたって、時間の無駄」


「じゃあ、金を出すしかなかった事には変わりないだろ」


淡々と話したあたしに、冬夜は眉を寄せたまま苦笑した。


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