群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
柚葉と出会った日から1週間が経ち、俺は毎晩訪れるようになった彼女の事を待つ日々を送っていた。
「おかえり」
今日も21時過ぎに家まで来た柚葉を、いつもと同じように笑顔で迎え入れる。
「……その台詞、おかしいから」
「じゃあ、何て言って欲しい?」
「何も言わなくていい。てか、むしろアンタは一言も喋らないで」
「……相変わらず辛辣(シンラツ)だな」
柚葉とのこんなやり取りにも、もう慣れてしまった。
そして、そんな日常が当たり前になりつつある事が、何だか少しだけ可笑しかった。