群青の月
「毎回ちゃんと三万払うから、これからも来てくれないか?」


「は?」


柚葉は、俺の言葉に対して驚きよりも不信感を抱いたらしく、思い切り眉を寄せた。


「もちろん、条件は今のままでいいからさ」


その時の俺は、まるで営業をしている時のように、彼女との契約に漕(コ)ぎ着けようとしていた。


そんな自分(オレ)を可笑しく思う一方で、それでも至って本気だった。


「……ヤらないのに三万も払ってあたしを買う、って事?」


柚葉は、眉間にシワを寄せたまま俺の瞳を真っ直ぐ見つめ、静かな口調でゆっくりと訊いた。


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