群青の月
「そうだ」


「……それって、アンタに何かメリットあるの?」


「俺は、お前の時間を買いたいから三万出す。ただ、それだけの事だよ」


すかさず質問を投げ返して来た柚葉に、真剣な表情を向ける。


純粋な気持ちだったのかどうかは、自分でもよくわからない。


だけど…


柚葉と一緒にいる為には三万円を払うしか方法が無いのなら、それだけ出してでも彼女の時間を買いたいと思ったのは本心だ。


少しだけ緊張しながら柚葉の答えを待っていると、彼女が何かを考えるような表情でタバコを吸い始めた。


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