群青の月
タバコを吸う柚葉の表情は、やっぱりすごく綺麗で。


彼女の周りには、年下だとは思えない程の妖艶(ヨウエン)さが漂っている気がする。


「……いつまで?」


しばらく黙っていた柚葉が、煙と一緒に質問を吐いた。


「それは、まだわからない……。でも……しばらくは、お前の時間を買いたいと思ってる」


俺が話している間、柚葉は吐き出した煙が揺れながら舞い上がるのを見つめているだけで、何も言わなかった。


口数の少ない彼女との沈黙には1日で慣れたけど、この時ばかりはさすがに大きな不安を抱いてしまった。


< 171 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop